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2014年06月06日

《人の喜びをわが喜びに》今週の倫理875号

《人の喜びを わが喜びに》
五月のテーマ 人生の岐路 今週の倫理875号

ある人が脱サラをして小売店を開業しました。
一年が経過しましたが、売上げが予想に反して伸び悩んでいます。
〈こんなことなら脱サラするべきじゃなかった〉と悔やまれてなりません。
〈ここはもともと立地が良くない〉
〈バイトの店員の態度が悪いから売れないのだ〉
〈結局、この商売は儲からない。熱心に勧めたあいつが悪い〉と、
つい何かの「せい」にしてしまう心がよぎります。
その気持ちは、日を追うごとに増すばかりです。
嫌々商売を続けるうちに、経営状況はさらに悪化していくのでした。

さて、このように「せい」にしていて、はたして次の一手が生まれるでしょうか。
人は、多かれ少なかれ、他力本願の気持ちはあるものです。
状況さえ整えば自社も良くなる、と思いがちです。
しかしそれでは、自社の好不調も、周囲次第となってしまいます。
日々刻々と社会情況が変化する中、「タナからぼた餅」ではなく、
喜びの仕事を自ら創造していくにはどうすればよいのでしょう。

苦境から脱出する鍵は、「徹底して人を喜ばせることにある」と説いたのは、
倫理研究所・丸山竹秋会長(二代目理事長)でした。
「今日はお客さんをどのくらい喜ばせたであろうか。
数は少なくなったが、また新たに入る見込みもないが、
とにかく現在、いっしょに働いてくれるわが従業員たちを、
今日はどのくらい喜ばせたであろうか。
こうしたことがらを、徹底的に追及しながら、毎日毎日を働きぬいてゆくことです。
そうしておりますと、かならず時がきて、こんどは以前にも増して、
はるかに、りっぱな仕事ができるようになるのです」
(『中小企業の突破口』より)

〈あれが悪い〉〈これでは駄目だ〉と人のせいにしたり、ただ悲観しているより、
「やると決めた以上はやるのだ」と心を決め、
人を喜ばせることをひたすら一所懸命にやる。
人の喜びは、必ずわが喜びとなり、今の仕事への喜びを育ててくれるものです。
住宅建築の会社を経営するT氏は、
休日になると、必ずといっていいほど地域の清掃に打ち込んでいます。
高速道路の真下など、人が来ないような所にも足を運び、
ヘルメットと作業着を着て、四時間ほどゴミを拾います。
「人様の見てないところで、いかに人様のために働けるかと思って清掃しています」
と語るT氏。清掃で日焼けした顔で、ニッコリと笑います。

T氏の奉仕活動は、傍から見れば、〈なぜそこまで?〉とも思える活動です。
しかし、地域のために一身に打ち込んでいるうちに、
人の喜びがわが喜びとなって、仕事へのエネルギーを生み出しています。
喜びの効果が波及するように、直接名指しで、
新規の建築依頼が届くことも多いそうです。

 人生の岐路で迷う時、自らを鼓舞して、
人を喜ばせることを実践の目標に掲げていきましょう。
その喜びの働きこそ、苦境の中で事態を好転させる、
大きな原動力となるはずです。
posted by いさはやせいかつ   at 16:33 | Comment(0) | 名言・格言
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